2011年10月6日木曜日

ハンター?泥棒?: Four Eyes (2008)

Four Eyes(2008) by Joe Kelly and Max Fiumara

またまた今回もMoA(Man of Action Studio)系コミック!今回は、前回紹介した「I Kill Giants」とほぼ同時期に発表された、「Four Eyes」(1~4巻)を紹介します。ストーリーはおなじみJoe Kellyさん、絵はMax Fiumaraさんが担当です。

ドラゴンの話と聞いててっきりドラゴントレーナーを目指すヒーローものかと思って読み始めたのですが、危険なハンターものでした。しかも、血は出るし、肉は出るし、おまけに鬱展開。M.Rexにしても、Four Eyesにしても漫画になるとKellyさん容赦ないw


〈前半あらすじ〉
 時は1934年、ニューヨークではドラゴンを闘技場で戦わせるドラゴンファイトが流行していた。調教するのに都合のいいドラゴンの子供や卵は高値で売買され、イタリア人であるエンリコの父もドラゴンを売ることで財をなした。

 ある日、両親とともにビーチに来たエンリコ。父親が散歩に出た浜を追って行くと、岩穴に大きなドラゴンがおり、父親がそのドラゴンの子を捕まえていた。ドラゴンの母親から追われながら抱きかかえていたエンリコと袋に入れたドラゴンの子を放り出した父親はドラゴンの母親が吐いた炎に焼かれて死んでしまう。父親の葬儀でエンリコははじめて彼の父がドラゴンを捕まえる仕事をしていたことをドラゴンの子を買い取りに来た大富豪のボッチョーニから知らされる。


 父親の死後、家計は苦しくエンリコは工場で働くが長続きせず盗みを働くようになる。母親も洋裁の仕事をはじめたが、それでも暮らしは豊かにならずパトロンを家に呼び込むようになる。ある日、エンリコに暴力をふるうパトロンの男の腕にエンリコはナイフを突き刺し、男は憤慨して家を出て行ってしまう。

 母親が明日の暮らしを案じて途方に暮れる中、エンリコはドラゴンを捕まえて金を得ようと決心し、ボッチョーニの屋敷へ向かう。

なにこの重いストーリー!?(°ω°;)

←ドキっとした1コマ
エンリコが工場で任されたのは、金属を型に押し込む作業なのですが、プレス機に誤って腕を挟まれ切断してしまう子もいるようです。恐ろしい…辛く危険な労働、エンリコが泥棒少年になったのも無理がない気がします。

それにしてもMoAは泥棒少年多いですね(M.Rexとか、ベン10のケビンとか)となると、エンリコは泥棒少年3人目w


あと、エンリコのお父さんのセリフにイタリア語が入っていたのも印象的でした。イタリア(特にマフィア映画とか)好きな方はアメコミ好きの方以上にハマっちゃうかもw


後半からは、ボッチョーニさんに雇ってもらったエンリコがドラゴンハントに行くの話なんですが…これもハンター仲間たちが死に過ぎてビビりまくり。エンリコ自身もドラゴンの炎で着ていたジャケットが燃え、危うく大やけどを負うとこでした。

〈後半のあらすじ〉
結局ドラゴン相手になすすべがないエンリコはドラゴンの洞窟で凍え死ぬ時を待つのみの状態であったが、そばに母親から小さすぎて捨てられていたドラゴンの卵が孵り、ドラゴンの子とエンリコは仲間が助けに来るまで互いを温め逢いながら寒さをしのいだ。



他のドラゴンより体が小さく、赤く光る目を4つ持つそのドラゴンはエンリコによって"Four Eyes"と名づけられ、闘技用のドラゴンを目指すことになる。

ハントから帰って早々ボッチョーニ氏にドラゴン代を請求w

エンリコ、つわもの過ぎwww

こういうのは子供が読んでどうのこうのと言うよりも、大人が読んでてエンリコによる不意打ちと、油断してたボッチョーニ氏を笑う感じなんでしょうね。コミックのグロさから言っても普通に大人向け。

親子3人で暮らしていた頃の子供らしいエンリコ。父の死後一転し、盗みを働き、母親のパトロンをナイフで刺し、金のために命を危険にさらす屈折したエンリコ。ドラゴンの脅威に遭遇しなすすべのない弱いエンリコ。そして、恐ろしい目にあってもなお冷静に金を請求するエンリコ。

個人的には前回紹介したの「I Kill Giants」の方が好みですが、ドラゴンの有無以上に一人の少年の色んな面が描かれているという点でかなり面白かったです。

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